日独伊編 1st day ”成田→ヴェネツィア”

◆成田(日本)
5:30、起床。
今日は飛行機に乗るので、貴重品(デジカメ、パソコン)を全部手荷物用バッグにパンパンに詰め込んで空港に出発。そして7:30には空港に到着。


フライトまで3時間あるがさっさと搭乗手続きをした。他の航空会社のカウンターは結構混んでいる所もあったが、スイスインターナショナルエアラインズはガラガラ。3時間も前な上に、1日1便しかないからだろう。



シルバーウィークよろしくそれなりの混雑を見せる成田国際空港


8:00には搭乗手続きと荷物預けが終わったので、5Fの展望デッキで一休み。ちょうどスイスの飛行機が来た。
9:00には手荷物検査場を難なく通過。次の出国審査では唯一並んだがせいぜい5分くらい。審査ではパスポートとチケットを見せるだけで特に何も言われず、従って何も話していない。ここを抜けると免税店と出発ゲートしかなかった。ただ出発ゲートは何十もあるし、時間も1時間以上あるのでいろんなゲートに赴き、各航空会社の飛行機を写真に収めてみた。
大韓航空オーストリア航空エールフランスシンガポール航空ルフトハンザドイツ航空全日空スカンジナビア航空、KLMオランダ航空、スイスインターナショナルエアラインズ



スイスインターナショナルエアラインズ LX161 エアバスA340-300


10:00過ぎにようやく飛行機への搭乗が始まった。シルバーウィーク効果で乗客は9割方日本人。席は電話予約しておいた右2列席の通路側で、あわよくば窓側が空席だったらいいなと思っていたが、しっかりいた。というか満席だった。


10:30、離陸。しばらくして、おそらくロシアに入ったあたりで昼食となった。「チキン(カレー)orマカロニ」と聞かれたのでマカロニにした。機内食でカレーなんてどうかと思い(地上ではよく食ってるし)。マカロニという平べったくて長いパスタはきのこのホワイトソース的なやつで、なかなかおいしかった。隣の人は速攻でカレーを平らげたようだが、急いで食べても早く着くわけではないのでゆっくり食べた。



マカロニによる昼食(丸いのはパン)


どうでもいい話だが、隣の若い男性客はPanasonicのデジカメ“LUMIX TZ7”の説明書の全ページコピーを熱心に読んでいた。コピーより本物を持ってきた方がかさばらないと思うのだが。ちなみに彼はスペインに行くようだ。


昼食後は座席の画面でおそらく2時間くらいポーカーをやった。200ドルの元手が100,000ドルになるほどまでに打ち込んでしまったが、早起きとポーカー疲れで目が痛くなったのでやめて目を閉じた。この辺でおそらく4時間経過。まだ1/3だ……


その後は映画「Night Museum」を英語で見たらいまいち理解できなくてつまらない映画だと思って見るのをやめ、ぼーーーーーっとしてさらに4時間過ごした。その間バニラアイスが配られたが、機内は涼しいので微妙。しかし退屈な乗客たちはエサを与えられた家畜のように黙々と食べるしかなかった。


ロシアのウラル山脈を越えたかもしれないあたりで唯一気になっていた映画「I'd rather be a shellfish」を見始めた。私はむしろ貝である?この作品について知ってることは中居君が坊主になることだけだったがちゃんと最後まで見た。そのころちょうど飛行機はロシアを抜けバルト海に出たあたりで、そのまま海に突っ込んでみんな貝になればいいと思った。おそらくこの映画を見ている間に冷たいコンビニおにぎりorバナナが配られ、家畜はエサをむさぼったのであった。


いよいよヨーロッパに差し掛かり、残りの時間はヴェネツィアのドキュメンタリー小説のようなガイド本を読んで過ごした。この間に、夕食なのかチキンタツタサンドが出た。さっきのおにぎりはなんだったのか。でもまあこれで夕食はいらないと思い、食べた。



チキンタツタサンドによる夕食


そうこうしているうちに飛行機はポーランドチェコ、ドイツを抜け、スイスへ。窓から覗く風景は日本の田舎との違いを見出せない。そしてやっと22:30(現地時間15:30)にチューリッヒ国際空港に到着した。


チューリッヒ(スイス)
半日たっているのにまだ明るく、しかも眠れてないから疲弊しているが、ここからさらに乗り換えてヴェネツィアに行かなければならない。飛行機を降りて進むと地下鉄のホームのような場所に躍り出た。どうなってるんだと思ったが、どうやら空港内の移動に専用の列車が走っているようで、別のターミナルで入国審査、荷物受け取り、乗換えをするようだ。他の乗客と同じように列車に乗ると、車内放送では牛が鳴いたりしていた。これがスイスか。列車を降りてTransferの案内に向かうと、みんなパスポートとチケットを持って並んでいた。だからこれが入国審査だと思ったのだが、パスポートとチケットをを見せるだけで特に何も言われず、従って何も話していない。


そこを抜けると免税店のエリアに出た。さっきのが入国審査だったのかどうかも定かでないまま、飛行機内のパンフで気になっていたチョコレートを免税店で発見したので買うことにした。値札を見ると、スイスフラン!でもユーロしか持ってない。チョコレートを買うために両替をしなきゃいけないのかと思ったが、値札をよく見たらユーロでも書いてあり一安心。レジで打たれた金額もスイスフランだったが、無言でユーロを出して購入した。


その後はこれ以上うろうろしても疲れが増すだけなので、ヴェネツィア行きの登場ゲートに向かうことにした。案内に従って進むと手荷物検査場が。ここではまず成田で問題なかったズボンのベルトが金属探知機に引っかかり、さらに家電を詰め込みまくっているバッグも引っかかった。バッグの中を出してX線に通しなおしてパスしたが、英語で対応しなければならなかったので大変だった。この先はもう搭乗ゲート前で、ちょうど自販機があったので飲み物を買おうとしたらスイスフランだった。でもよく見たらユーロもOKで、1ユーロ=1.4フランと書いてあった。ペットボトルの水は3フラン。1フラン=90円くらいだから、270円?!高いと思いながらも2.5ユーロ入れると自動的に3.5フランと表示された。お釣りは0.5フラン。ユーロで払ってお釣りはフラン。これがスイス。


しばらくぼーっとしていると搭乗が始まったのだが、回りに日本人の姿はなし。いよいよ未知の領域に突入したっぽい。専用バスで駐機場に向かい、みんな黙々とタラップで小型ジェットに搭乗。予約したのは窓側だったのに通路側だった。
17:45に離陸。機内アナウンスは理解不能。コーラを飲みつつぼーっとしていたら1時間もせずにヴェネツィアマルコ・ポーロ国際空港に到着した。(現地時間18:30、日本時間25:30)



来訪地の地図


ヴェネツィア(イタリア)
ここでは荷物を受け取ると何の障害もなく外に出られた。EU加盟国の多くがシェンゲン協定に加盟しているので、日本からはスイスに入った時点で入国となり、スイスからイタリアへは国内移動と変わらない。
で、ここはまだ大陸側なので、船(アリラグーナ)でヴェネツィア本島に向かわなければならない。そのためのチケットと、明日以降使う水上バス“ヴァポレット”の72時間乗り放題券を窓口で購入。イタリアだけど英語で。


空港を出て、空港近くの船着き場に行ったら綺麗な夕暮れが見られた。もう19:30だが、サマータイムなので18:30相当。でも体内時計は午前2:30だ。



ヴェネツィアの夕暮れ


ここでトラブル発生。船を待っていると、急に集団に襲われた。腕などを何度も執拗に刺された。
―――蚊に。
ヴェネツィアに蚊が多いのは知っていたが、9月下旬だからと思って油断していた。単に海の前だから多いだけならいいのだけど。


船が来た頃にはもう真っ暗で、船の窓からは遠巻きに灯りが見えるだけで特に面白くもなく、1時間後にようやくヴェネツィア本島のサン・マルコ(サン・ザッカリア)に到着。ヴェネツィア本島には西側からバスや電車でも入ることができるが、やはり表玄関(海)から入るのが雰囲気が出ていいだろう。ホテルの場所は、ナポレオンにして世界で最も美しい広場と言わしめた“サン・マルコ広場”の近くにあるので、サン・マルコ広場に向かった。そこには写真や映像でしか見たことがなかった世界が、目の前に広がっていた。
なおホテルが近いこともあり、その後ことあるごとにサン・マルコ広場を通ることになる。


21:15、ようやくホテルに到着。成田のホテルを出てから実に21時間経っている。英語なので聞き返さないと理解できないこともあったが何とかチェックインし、部屋に着いた。荷物を運んでくれたホテルマンにチップを渡しそびれたことは寝て忘れることにする。
部屋はヨーロピアン調とかいうヤツでまあこんなもんかと思ったが、部屋には日本ではよくあるホテルの説明書がなかったので、朝食がいつどこで食べられるのかや各種サービスは何があるのかなどが一切不明だった。日本がいかに親切かが身に染みる。



Hotel Antico Panada


つづく―――