日独伊編 3rd day ”ヴェネツィア”

ヴェネツィア(イタリア)
ヴェネツィア2日目、5:30起床。
7:00に朝食をとるつもりだったが遅くなってしまった。食堂のおばちゃん?に挨拶して席に案内してもらう。挨拶くらいはイタリア語なのでボンジョルノ。後は英語でコーヒーと紅茶どちらがいいかと聞かれたので紅茶にした。朝食はセルフサービスでハム・チーズ・ヨーグルトなどを頂ける。野菜は、ない。中にジャムが入ったクロワッサンはおいしかった。



ハム・チーズなどによる朝食




朝食後、サン・マルコ広場を通過してヴァポレット乗り場へ。午前中は教会巡りで、8時から4ヶ所を1時間ずつで巡ればちょうどお昼という計算だったが50分遅延している。でも各教会に1時間もいないだろうからおそらく問題ない。
まずはヴァポレットでサン・マルコからカ・レッツォーニコへ。途中でサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会の前を通るがここは後で来るから今はスルー。その直後に大運河に4つ架かる橋の一つ「アカデミア橋」の下を通過。ここも後で来る予定だったが、結局渡らなかった唯一の橋である。



アカデミア橋


出発から10分でカ・レッツォーニコに到着。ちなみにヴァポレット乗り場は箱形の浮島になっているので、待っていても揺れる。尚ここはトラゲット(ゴンドラによる渡し船)の発着場でもある。



ヴァポレット乗り場(カ・レッツォーニコ)


さてここからは細い路地を通り、抜けた先のカンポ(広場)から水路を越えてさらに進んだところで、ひときわ広いサンタ・マルゲリータ広場に出た。この左奥にあるのが最初の目的地、サンタ・マリア・デル・カルミネ教会である。最初どこが入口か分からなかったが、正面ぽいところの扉を開けたらいきなり礼拝堂だった。



サンタ・マリア・デル・カルミネ教会


中には息を飲む静寂と荘厳さがあった。椅子に腰掛けた人は何人かいたが誰も音を立てないし、そもそもそういう雰囲気ではない。写真撮影はダメとは(たぶん)書いていなかったので撮らせてもらったが、一眼レフのシャッター音が響いて気まずいので、コンデジで撮った。



サンタ・マリア・デル・カルミネ教会




初っぱなから神々しい光景を拝ませてくれたカルミネ教会を後にし、北に300mほど歩いたところにあるのがサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会(拝観有料)。ここは撮影禁止なので内部の写真はないが、広いし高い。とにかく立派なのだが、教会的な雰囲気としてはカルミネ教会の方が神懸かっていた。
[LINK] Wikipedia サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会



サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会




次はフラーリ教会の裏手にあるサン・ロッコ大信徒会館(拝観有料)。ここは教会ではないのだが、2階の天井一面の絵画が素晴らしかった。他の客たちが手に持った額のような物をしきりに見ていたのだが、それは鏡で、鏡越しに天井を見ていたようだ。肉眼で見た方がよかろうに。



サン・ロッコ大信徒会館




ところでホテルのバスルームにあったのはおそらくボディソープと思われる物だけで、それで頭を洗ったらかなり指通りが悪く、心地悪かった。そこでどうにかシャンプーを買おうと思い、携帯でヴェネツィアのスーパーを検索したら他人のブログでサンタ・マルゲリータ広場の近くにあるという情報を得ていたので、そこに行ってみた。入ってみると間口が狭かったので小さな商店かと思ったが、奥に長い。かなり奥まで行くと肉や惣菜コーナーまであった。
そんなことよりシャンプーだ。日本でもそうだが、シャンプーも結構種類がある。自分の髪にあった物を買えばいいのだが、イタリア語で書かれているので意味不明。仕方がないので当たり障りのなさそうだと感じた物を買った。ついでにこれも結構困るのだが、街中のバールで買うと高いところの飲み物も安価で確保した。




イタリアのスーパーで買い物という難関を乗り越えた後、ヴァポレットでカ・レッツォーニコからサルーテへ。着いたのは11:00で当初の予定通りとなった。早速目の前のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会に入る。イタリア語や英語で「無料」「誰もお金を要求しません」と書いてあった。ご親切にどうも。
ここは外から見ても分かるように大きなドームが目を引く有名スポットで、中もまた大きい。円形の礼拝堂はどの位置から上を見上げても美しく、こんなのが自分の家だったらどうしようとか思う。いや、住むのは難しいから庭にあればいいや。
[LINK] Wikipedia サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会



サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会



サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(礼拝堂)



サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会(礼拝堂)




サルーテ教会は12時で一旦閉まるので、それまでに見る予定であり、結果として11:30には見終えた。午後は大運河(カナル・グランデ)の向こう側を歩いてサン・マルコ広場まで戻る予定で(と言っても寄り道しなければ30分以内の距離だが)、そのためにはまずカナル・グランデを渡らなければならない。その手段として適当なのは3つ、最寄りの橋を歩いて渡る、ヴァポレットで渡る、トラゲットで渡る、だ。ここはちょうどサルーテから対岸のサンタ・マリア・デル・ジリオまでヴァポレットとトラゲットがあるので、トラゲットに乗ってみることにした(というかそのつもりだった)。
トラゲットは1回50セントで、ゴンドラの前後に漕ぎ手が2人、ある程度乗客が乗ったらピストン輸送するという乗り物である。カナル・グランデには4本しか橋がないため、橋まで遠いような場所にはトラゲットがあり、住民の足になっている。
向こう岸からゴンドラが来たので、漕ぎ手にお金を渡して乗り込んだ。しばらくしても乗客は2人のままだったので、出発。混んでいれば立ち乗りするらしいので、せっかくだから立ち乗りした。これで海に落ちたらアホですな。ゴンドラは多少揺れたがゆっくり進むので、電車で吊革に掴まらずに踏ん張るのよりは楽だった。数分で対岸に着くと、こちらではかなりの人がトラゲットを待っていた。どう見ても観光客の集団である。すぐに出そうだったので観察した。



トラゲット(舟の上から)



トラゲット(岸辺から)




ここからは徒歩で隠れた名所と思われるコンタリーニ・デル・ボーヴォロ階段を目指す。地図を見ながら小道や広場をいくつか通った。途中の水路でゴンドラを見かけたが、ちょうど観光コースなのか列をなして進んでいた。



ゴンドラ渋滞


目指す階段は狭い路地の奥まで進まないと見えない位置に存在した。特徴的な螺旋階段が目を惹く。情報ではここは登ることができるはずなのだが、誰も登ってないし登れそうな雰囲気もしておらず、残念。ちなみにサン・マルコ広場のカンパニーレからも見える。



コンタリーニ・デル・ボーヴォロ階段



コンタリーニ・デル・ボーヴォロ階段(カンパニーレより)




13:00、サン・マルコ広場に帰着。もはやホームグラウンド。午前中精力的に見て回ったし、結構歩いたので休みたいところ。そこでカフェ・フローリアンで遅めの昼食をとることにした。ここは世界最古のカフェ(創業1720年)で、カフェラテ発祥の地でもある。ここでカフェラテを頼むのも一つの目的だった。
[LINK] Wikipedia カフェ・フローリアン
で、早速テラス席の一角に腰掛けた。しばらくウェイターが来なかったので気を揉んだが、メニューをもらいしばし閲覧。またウェイターが来るまでしばらくかかって、やっとカフェラテとクラブサンド・ベジタリアーノ(だったっけか)を注文した。



カフェ・フローリアン


なお、屋内の店内も絢爛豪華らしく、見てみたかった。
またしばらくして届いた料理の写真を撮っていると、カフェラテに何かが写り込んだ。サン・マルコ広場のシンボル・カンパニーレだった!確かにカンパニーレに向かって座っていたのだが、何というサプライズかと少し感激したが、別に店の貢献ではない(笑)



カフェラテ&クラブサンド



カフェラテ&カンパニーレ?!



カンパニーレ


お代は生演奏の分も含めて30ユーロ弱。怖ろしく高い。カフェラテ1杯8ユーロもする。観光目当てじゃないと来られない店だ。




昼食後はしばらくサン・マルコ広場を散策し、一旦ホテルに戻った。
そして夕刻、2つめの現地ツアーに参加すべくスキアヴォーニ河岸へ。水の都ヴェネツィアと言えばゴンドラが有名だが、個人交渉でこれに乗るにはそれなりの語学力とお金と、一人で乗る勇気が必要になる。そこで便利なのは現地ツアー「ゴンドラ・セレナーデ」だ。これもまた参加者を団体扱いで割安で乗せるもので、オマケにアコーディオンの生演奏とカンツォーネを聴くことができる。これは個人交渉では不可能に近い。このツアーは日本語ガイドはないと書いてあったので多国籍参加者かと思ったが、日本人だけだった。
参加者は十数人で、3隻のゴンドラに分乗。真ん中のゴンドラにアコーディオン奏者と歌手が乗る。私は1隻目の一番前だった。(5人乗った)
ゴンドラでは一番後ろの2席がカップルシートみたいに前向きに座り、他の席は内向き(水に背を向ける)だ。舟の漕ぎ手は一番後ろの左側に立つので、バランスを取るためか私は漕ぎ手の対角方向の右側に座らされた。(ちょうど下の写真のような配置)



ゴンドラ



怖面のゴンドリエーレ


このツアーはおよそ30分水路を巡るコースで、私はゴンドラに乗っている最中はハイビジョンで動画を撮っていた。一人だからこそできる技である。ただし最前列なので前方を撮るとアコーディオン奏者などが映せず、かと言って後ろ向きで撮ると他の乗客の顔を撮りまくることになってしまうので、ほぼ前方を撮影した。それでもアコーディオンの音やカンツォーネは水路の両側に立ち並ぶ建物に反響してよく聞こえていたし、前向きでも他のゴンドラとすれ違ったり追い抜かれたりしたので絵的には困らなかった。なおゴンドラはほとんど揺れもせず、且つゆっくりと進むので心地よかった。観光客向けとしては最もオススメのプランである。



ゴンドラとサン・ジョルジョ・マッジョーレ島



係留してあるゴンドラ群



至福の時の後はまたサン・マルコ広場へ(どうしても通るので)。18:00ともなればいい感じに黄昏れている。スキアヴォーニ河岸からサン・マルコへ歩いていくとちょうど夕日が見えたので、街灯に重ねたりしてみた。



スキアヴォーニ河岸の夕暮れ


夕暮れのサン・マルコ広場もまた美しい。
オレンジ色の柔らかい光に照らし出されたカンパニーレは一際存在感を誇示し、サン・マルコ寺院は神々しさをも醸し出している。また広場自体も夕闇と調和して一つの空間を作り上げている。



夕暮れのカンパニーレ



夕暮れのサン・マルコ寺院



夕暮れのサン・マルコ広場


ほどなくして空が闇に包まれても、サン・マルコ広場は眠らない。行政長官府の灯りが一際輝いて広場全体を照らしている。



夜のサン・マルコ広場



夜のカフェ・フローリアン


ドゥカーレ宮殿もまた強い存在感を示しているが、強さで言ったら補修工事の防護幕が最強に目立っていた(笑)
溜め息橋には溜め息が出るばかり・・・



夜のドゥカーレ宮殿



夜の防護幕



夜の溜め息橋


帰りに見かけた店のショーウィンドウのガラス細工も妖艶な美しさなり。



夜のショーウィンドウ


つづく―――