日独伊編 4th day ”ヴェネツィア”

ヴェネツィア(イタリア)


とりあえず地図をどうぞ。

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ヴェネツィア3日目。
朝起きると少しのどが痛かった。そういえば昨晩サン・マルコ広場で佇んでいるとイタリア人(♂)とウクライナ人(♀)にからまれた(一緒に写真撮った)ときに何かうつされたのか?! インフルエンザが頭をよぎったのは言うまでもないが、ひるんでも仕方がないので昨日と同じ朝食を食べた後、持参した風邪薬を服薬して出掛けた。


今日はヴェネツィア最終日であり繁華街に出掛ける予定だが、何はなくともサン・マルコ広場に登場。9時前だと日中の喧噪が嘘のような静けさだが、それでもある程度は人がいた。



朝のサン・マルコ広場



朝のドゥカーレ宮殿


まずは9時までうろうろ。9時になればまだ一度しか登っていないカンパニーレが開く。最高峰には朝夕2回登りたいものだ。



昼のカンパニーレ


9:00、早速カンパニーレに登る。朝一だから混んではいない。ちなみにここは鐘楼だからもちろん鐘があるわけで、結構でかいのがぶら下がっていた。登っている最中にこれが鳴ると一日中鐘の音が耳から離れないそうな。



カンパニーレの鐘


さて、ここから東を臨めば朝日とそれに照らされた海や街が見渡せる。朝日が反射して煌めく海は見ていて飽きない。



ラグーナ(南東)


やや視線を落とすと、サン・マルコ寺院ドゥカーレ宮殿が見える。どちらも他の建物に比べると非常に大きい。



寺院&宮殿(東)


反対側ではサン・マルコ広場サルーテ教会、その奥のジュデッカ島などが見渡せる。こちらでは青い空とオレンジ色の屋根、青緑色の海が幻想的だった。



サン・マルコ広場(西)



サルーテ(南西)




次はサン・マルコ広場の南にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島に向かった。サン・ザッカリアからヴァポレットで3分で着く。この数分に海上から見える本島方面はまさに水の都といった感じだ。



水の都



サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会


島に着くと、ここにはサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会しかない。ここは教会としてどうより、鐘楼からの眺めが素晴らしいはず。海から見た時点ですでに素晴らしかったし。ここの鐘楼はサン・マルコ広場のものより低めで、あっちではおっさんがクロスワードパズルを解きながらエレベーターガール的な仕事をしていたが、こっちはセルフサービス。しかしその眺めはスーパー絶景だった!





スーパー絶景・ヴェネツィア





サルーテ方面



サン・マルコ広場


今日は結構風が強かったが、あまりに絶景なものでしばらく見てました。そんなとき、韓国人(♂)から写真を撮ってくれと頼まれました。気分が良いので快諾。サン・マルコ方面をバックに撮ってあげました。ついでに私も頼むと言って撮ってもらうと、どうも人物(私)に露出が合って背景(絶景)が白飛び気味に。カメラの設定を色々変えて何回か撮ってもらったが、結局彼のカメラのようにうまくは写らなかった。私のヤツは同じメーカーの上位機種なのだが(汗)
まあ自分の写真なんて適当に合成すればどうとでもなるので(爆)、次の場所に赴くことに。




次はこのままヴェネツィア本島の南岸を西へぐるっと回り、サンタ・ルチア駅からカナル・グランデ沿いに本島中心へ向かう予定だったが、さっきのサン・ザッカリア(本島)からサン・ジョルジョまでの水上からの景色をどうしても動画で撮影したく、そのために一度来た航路を戻った(もちろんヴァポレットで)。


この航路はカナル・グランデを通る航路と違ってそれほど混んでおらず、サン・ザッカリア(始発)から船前方の甲板の席に座ることができた。ここから写真や動画を撮影しながら40分かけて西の玄関口、サンタ・ルチア駅へ。ここは鉄道駅で、ちょうどローマ行きのユーロスター・イタリアが停車していた。ちなみにイタリアの駅には改札がないので、切符がなくともホームに入ることができる。



ユーロスター・イタリア


この周辺にはカナル・グランデに架かる二つの橋がある。一つは古くからあるスカルツィ橋、もう一つは去年できたカラトラーヴァ橋(コスティトゥツィオーネ橋)だ。カラトラーヴァ橋を渡った先にはヴェネツィアで唯一車で乗り入れられるローマ広場があり、バスがたくさん停まっていた。私は駅から右手のカラトラーヴァ橋を渡り、カナル・グランデの対岸を歩き、駅から左手のスカルツィ橋を渡って元の位置まで戻った(と言っても数分の距離)。
[LINK] Wikipedia スカルツィ橋



カラトラーヴァ橋(右が駅)



ローマ広場



スカルツィ橋(左が駅)




ここからまたヴァポレットに乗ってカナル・グランデを進む。次は外観が美しい(らしい)カ・ドーロという建物の前で降りた。お目当てもカ・ドーロだが、中の美術館?は正直言ってつまらなかった。他の場所が凄すぎるというのもあるが、12ユーロは高い。加えてこのころ暑さと疲労と風邪かも知れない怠さでへばっており、主に館内のイスで休んでいた気がする。それにもう午後1時を過ぎていて、お腹も空いていた。なお、肝心の建物外観の写真は疲労困憊により正面からは撮っていない。というのも正面は運河なので、対岸に渡って撮らなければならないからだ。
[LINK] Wikipedia カ・ドーロ



カ・ドーロ(内部)




暑さはともかく、持病(運動不足)によるの足の痛みは休んでもそうそう治らないので、カフェでも探そうと裏手の商店街をうろうろした。商店街と言っても食べ物屋が多く、そのほとんど全てがテラス席を展開していてとても賑わっている。しかしあるのはレストランの類ばかり。一人レストランは難易度高いので入るか入るまいか躊躇いながらうろうろしていたらアホらしくなってきたので、次の場所へ赴くことにした。


またしてもヴァポレットで数分、ヴェネツィアの繁華街の中心にして最も有名な橋、リアルト橋に着いた。
この橋は、橋の上に商店街がある。
ヴェネツィア自体干潟の上に街があるのだから、橋の上に店があってもおかしくはない。だから何気なく商店街を進むと、これが橋だとは分からないかも知れない(そんな横着な観光客はいないだろうが)。橋の上の店は典型的な土産物屋なので、それほど重要でなし。



リアルト橋の商店街


この橋から眺めるカナル・グランデは壮観だが、この橋自体を陸地から撮影するのに適した場所はなかった。どこかの建物の2階の窓からならよく見えそうだが。一番雰囲気が出るのは船でカナル・グランデから撮る方法。しかしそのためにヴァポレットに乗ったり降りたりする気力がなかったので断念した。
[LINK] Wikipedia リアルト橋



リアルト橋


リアルト橋から見える風景は申し分ない。右にカーブするカナル・グランデに沿って建物が建ち並ぶ様は圧巻である。また大小様々な船が行き交っており、水上交通の要所であることも想像に難くない。



カナル・グランデ(リアルト橋より)



いろんな船(リアルト橋より)


ところでこの3日間、ホテル以外のトイレを利用したことがなかった。というのも暑いので水分は汗として排出され、屋外で尿意をもよおすことはなかったからである。でも今ちょっとトイレに行きたい。イタリア(ヨーロッパ?)は公衆トイレが少なく、あったとしても有料だ。トイレはリアルト橋の近くにあったのだが人が並んでいたし、利用システムを今ひとつ把握しきれていなかったので躊躇して、結局入らなかった。




ここからはサン・マルコ広場まで、陸路で商店街を眺めながら進んだ。土産物屋はたくさんがるがこれと言って目を惹く店はなく、どの店にも入らずに進んでいったら思いの外早くサン・マルコ広場手前のホテルに着いてしまった。しかしちょうど良かったのでトイレに入った。


ホテルに着いたら一つ問題が発覚。
今朝頼んでおいたつもりの洗濯物袋がそのままの形でぶら下がっていた。ドアの陰になって見えにくい位置にあるが、普通確認くらいしませんか?ハウスキーパーさん。
このせいでどっと疲れが増した。Tシャツや靴下などは途中でランドリーサービスに出そうと思って日数分持ってきていないので、必ず洗わなければならない。こんなこともあろうかと洗剤は持ってきているので、やることは一つ。


洗濯だ。


この日、Tシャツを4枚も素手で洗うという苦行を体験した。靴下なども含め1時間もかかった。絞るときに力を入れすぎてふやけた指の皮が剥けてしまった。この外光が差し込まない部屋で、しかも一晩で乾くのだろうか?





夕方、お土産の買い増し&1回くらいはまともなイタリア料理を食べたいので、外に出掛けた。今回は地図も見ずに北進。ヴェネツィアは迷宮都市と呼ばれていて、地図をよく見ないと目的地にたどり着くのが難しいが、明確な目的地がない場合は適当に歩いても問題なし。むしろこの迷路を楽しむのもまた一興だ。そんな感じで進むと、ホテルのすぐ近くに小綺麗なガラス屋があった。ショーウィンドウにはアンティーク調ではないヴェネツィアングラスが並んでいて、興味を引いた。店内は6畳間くらいの広さでそれほど商品は多くない。他の客もおらず、店主だけがそこにいた。この場合、確実に話しかけられる――――


「コンニチハ!」


――――日本語だった。
さすがは商人、私を日本人だと見抜いたのか。この店主はところどころ日本語だったが、あとは英語。というか英文に日本語が混じってる感じだった。結局ここではどことなく湯飲みっぽいグラスを2つ、祖父母へのお土産として購入した。負けてもらって1個160ユーロという尋常じゃない高さ。「ムリョウ」で日本に送れるらしく、ちょうどいいやと頼んでしまったが、後で日本の税関がめんどくさいことを知った。とりあえずちゃんと届いてくれ。




散財の後、もう少し進んだところにスパゲッティのあるトラットリア(大衆食堂)を発見。入りやすそうな気がしたので脳内キープ。さらに進むと右は水路、左はリアルト橋から続く商店街で、結局これ以上行動半径を広げられないので、グルグル巡った後さっきのトラットリアに入店した。大衆食堂と言ってもぱっと見レストランである。日本の大衆食堂ならテーブルにワイングラスなど並べられてはいない。料理は前菜とパスタを頼んだのだが、そこに行き着くまで店員のおじさんと結構なやり取りがあった。これは私がコースで頼まないといけないと思ってセコンドの魚料理を選ぶのに店のオススメメニューのビラから選ぼうとしたのだが、一人で食べるには量が多いと言うことを店員は説明していた。だったらオススメしないでくれ。じゃあどれにしたらよいかとメニューとにらめっこしているときに、ちょうど近くの席に中年の日本人客の方がいて、私に助け船を出してくれた。長時間店員と片言の英語でやり取りしているから困っているように見えたのだろう。私は困っていたのではなく悩んでいたのだが、セコンドをどうしようか悩んでいる旨告げたところ、頼まなくてもいいんじゃないかと言われたので頼まないことにした。それはそれで小食の私にとっては好都合だし、コースに則らなくても済んだことは本望である。


というわけで、前菜に定番の生ハムとメロン、プリモにシーフードスパゲティを注文。スパゲティはペスカトーレを食べたかったのだが、何やかんやでこれがペスカトーレっぽかった。ほどなくして出てきた生ハムメロン。皿一杯にハムが。さっきの気苦労で食欲が後退していたのでこれだけで満腹になりそうだった。



生ハムとメロン


何とか平らげると、店員に「うまいだろ?」みたいなことをイタリア語で言われた。つまり、「ボーノ?」と。
続いてメインディッシュのスパゲティ。意外に普通のサイズでよかった。いつも食ってる、マイクロ波を照射して再調理するタイプのスパゲッティーよりは美味しかったが、さっきの生ハムの影響で本気で味わえなかった気がする。本当はもっと美味しいはず。



スパゲッティ・ペスカトーレ


しかしこれで念願の本場のパスタを食べることができ、心置きなくイタリアを離れられるというもの。明日は午前8時の飛行機で旅立つので、逆算すると4時半にホテルをチェックアウトしなければならず、3時くらいに起きなければならない。だからソッコーで寝た。


つづく―――