日独伊編 5th day ”ヴェネツィア→ベルリン”
◆ヴェネツィア(イタリア)
3:00、起床。えぐい。
案の定、昨日素手で洗った洗濯物の大半は乾いていなかった。乾いているTシャツがあったことは奇跡に等しい。他のTシャツはドライヤーで乾かすことに成功したが、意外に厚手の靴下は時間的にドライヤー戦法も難しいのでこのまま持っていくしかなさそうだ。
4:20、チェックアウト。24時間常駐のフロントで助かる。ホテルマンも夕方にいる若い人ではなく、時間のせいか必要最小限の対応だった。ちなみに夕方の人はホテルの入口の前で、道を挟んで2メートルしか離れていない向かいの店の人と立ち話したりしている人だ。まあこれがイタリア人なのだろう。(下の写真の左側がホテル)
そしてまたしてもサン・マルコ広場へ。ここを通らずにはいられない(物理的な意味で)。
この時間だとそりゃ誰もいない。けどそれがまた幻想的だった。アンチ・エコ・イルミネーション様々だ。
静寂のサン・マルコ広場
一方、向かいのサン・マルコ寺院も異様な雰囲気を醸し出している。夜のダンジョン的な。
異様なサン・マルコ寺院
ドゥカーレ宮殿も負けてはいない。辺りに人がいないことで、まるで異世界に紛れ込んだかのような錯覚を覚える。
4:50、サン・ザッカリアから水上バス乗船。いや、船が5分遅れて来たから4:55だ。ここが始発のはずなのに何故遅れてくる? 朝っぱらから肝を冷やした。
ここから本土の空港までは1時間かかる。まだまだ真っ暗の海を進んでいくと、スキアヴォーニ河岸の東の端に昨日から停泊している豪華客船が見えた。そういえば昨日の夕方にはもう1隻の客船が通り過ぎるのも見えた。遅ればせながら貼っておく。
6時ごろやっと空港に到着。と言ってもフライトまでは2時間ある。しかし空港の手荷物検査場はかなりの賑わいを見せていた。さすがは観光都市。
大盛況のマルコ・ポーロ国際空港
この波に乗り遅れまいと、今日乗るオーストリア航空のチェックインカウンターにて手続き&荷物預け。ここも英語対応だが何とか乗り切った。
手荷物検査後は免税店と搭乗ゲートだけなので、しばし散策。意外に買えていなかった小物系みやげを追加購入。勢い余ってヴェネツィアングラス(と思しき物)も2つ買ってしまった。
今日はこれからオーストリアのウィーン経由でドイツのベルリンへ向かう。8時ごろヴェネツィア発。この空港からは飛行機は離陸すると一旦南のアドリア海に出ると聞いていたので、滑走路は西向きに進んで飛ぶと思い、左側の席なら空からヴェネツィアを拝めるかもと、左側最後尾の席を予約しておいた。また離陸直後はデジカメなどの電気機器類は使えないので、写ルンですまで用意しておいたのだが。
東向きに離陸しました。
とするとそのままウィーンに行くのかと思いきや、右旋回してアドリア海に出ました。
右側に座った客はみんな窓の外を見ていました。
完全に敗北しました。
何という未練。
◆ウィーン(オーストリア)
離陸してからは1時間もせずにウィーン到着。次のフライトまで3時間。実にもったいないが、時間と値段を考えるとこれが最善の選択肢だった。
10時ごろ朝食兼昼食をカフェで摂取。その後低い目線で飛行機を眺めた。ちなみに乗った飛行機はルフトハンザドイツ航空のヤツで、↓ではない。
今度の便は事前の座席指定はしていなかったが、発券が早朝だったためか窓側に座れた。今度は右側だ。離陸した直後、ウィーンの街並みがよく見えて綺麗だったのだが、写ルンですを発動し損ねた。
安定飛行中はデジカメで外の風景を撮影してみた。ヴェネツィアではほとんど見られなかった雲が浮かんでいる。そして北上するごとに増えていっている。つまりベルリンは晴れていないということか?! ちなみに雲は全てが同じ高さに同じ厚みで存在していた。どういう決まりでそうなっているのだろう?
◆ベルリン(ドイツ)
ベルリンにもまあ1時間くらいで到着。ヨーロッパは日本並みに狭い。1時間で他の国に行っていることを考えればもっと狭い。
ベルリンのテーゲル国際空港に着陸する間際、住宅のすぐ上を飛んだりして迫力があった。
着陸して、飛行機が駐機ポイントに着くとちょうど隣に同型機がいた。乗ったのはこれである。
Lufthansa Regional
そんなこんなで13:30にテーゲル国際空港に到着。案の定空は結構曇っていた。そのせいで少し肌寒い。今日は念のため長袖を着ていたので問題はないが。
空港ではこれからベルリンを案内してもらう現地コーディネーター(以下、妹)と待ち合わせ。バスターミナル辺りで妹を発見した。単身渡欧した妹は元気であった。
挨拶も束の間、まず早速空港でベルリン・ウェルカムカードなる公共交通乗り放題券を買おうとしたのだが、土日は妹の定期券でもう一人まで乗れるらしい。しかも定期はベルリン中心部のそれなりのエリアが乗り放題のヤツなので、観光予定のコースはこれで事足りる。土日にして良かった!
それじゃあ地図をどうぞ。
大きな地図で見る
これから観光するにあたり、まずはスーツケースを何とかしなければならない。そこでホテルに向かった。
一行はバスとUバーン(地下鉄)を乗り継いで西ベルリンの中心地、ツォーロギッシャーガルテン駅(Zoo駅)へ。訳すると動物園駅である。かの有名なベルリン動物園の前にある。ここからは徒歩でホテルへ。ホテルは洋館のワンフロア(4階)をペンション化したもので、1階の表玄関はまず呼び鈴を鳴らす必要があった。中に入るとエレベーターらしくものがあったが使い方が分からず、階段で上った。ホテルに入り、チェックイン。その後オーナー(?)に部屋まで案内してもらったが、一番奥の部屋だった。この建物は中心が中庭になっているロの字型をしていて、部屋に行くまでに廊下を3回左折した。逆側から行ければ1回右折で済むのに。
部屋ではオーナーから一通りの説明を受け、最後に鍵をもらった。鍵は3種類あり、一つ目は部屋の鍵、二つ目はホテルの入口(4階)の鍵、三つ目は建物の入口(1階)の鍵だ。そしてオーナーは21時には帰るらしい。何というか、他人の家を間借りしている感じだ。
さて部屋ではまずスーツケースをオープン。中にはヴェネツィアで買ったグラスがいくつも入っている。これがさっきのフライトで割れていないか心配だったが、スーツケースも擦り傷程度しか付いていなかったので、予想通り割れてはいなかった。
その後出掛ける準備をして、一応作っておいた予定表を妹に渡した。今日はあと少ししか時間がないので近場の観光地を巡るプランを考えていて、概ねその流れで回ることに。
3時ごろホテルを出発。まずはベルリンの中心のティーアガルテン(森)の中にある戦勝記念塔ジーゲスゾイレ。これはドイツが1800年代の戦争で勝った記念の塔だ。1900年代の世界大戦では負けているのに普通に立っている。ここに行くためまずはZoo駅へ。そこからバスに乗るつもりだったがなかなか来ないので、Uバーンで一駅進み、後は歩いた。ヴェネツィアでは街中を車も電車も走っていないのにベルリンでは普通に走っているので、何だか秘境から俗世に帰ってきた気分だ。
ジーゲスゾイレからは放射状に道路が延びているため向かっている最中もずっと見えていたのだが、近くまで来ると結構大きかった。67メートルあるらしい。ここからは東のかなたにブランデンブルク門を見ることができる。
[LINK] Wikipedia 戦勝記念塔
ジーゲスゾイレ(西ベルリン)
ここから次に乗るUバーンのウンター・デン・リンデン駅までちょうどバスがあるとのことなので、それに乗った。バスは2階建てで、ちょうど2階の前の方に座れてティーアガルテンの眺めを楽しむことができた。ほどなくしてウンター・デン・リンデンに着くと、近くにブランデンブルク門が見える。ここは明日来るつもりなので早速Uバーンに乗るべく地下へと潜った。
Uバーンではまた一駅南のポツダマー・プラッツ駅へ。歩いても行ける距離だが、健脚な妹のペースに合わせて歩いたら足が駄目になったので、極力交通機関を使いたい(涙)
この駅名でもあるポツダム広場(ポツダマー・プラッツ)はベルリンの壁崩壊後に大規模な再開発が行われたところで、高層ビルや大型ショッピングセンターがある。ただそれだけなのだが、かつてベルリンの壁に分断されていたポイントでもあるため、記念碑的に少しだけ壁が立っていた。
[LINK] Wikipedia ポツダム広場
ポツダム広場
またソニーセンターという複合施設もあり、建物に囲まれた広場の屋根が富士山型になっているのだが、中からだとよく分からない。
[LINK] Wikipedia ソニーセンター
ソニーセンター(西ベルリン)
この場所はただ見ただけで、次の場所へ向かう。妹がちょうどこの近くに行ってみたいカレーソーセージ屋(ファーストフード)があるというので、Uバーンでそこに向かった。カレーソーセージはベルリン名物らしい。カレーソーセージ博物館まであるそうだが、何が展示されているのか想像もできない。
カレーソーセージ屋では歩道に立ち食い用のテーブルがあり、結構人で賑わっていた。注文は妹に任せ、たまたま空いていた奥の方のテーブルで食べることに。モノは切ったソーセージにカレー粉とケチャップ、フライドポテトにカレー粉とマヨネーズがかかっていた。ウェイトはほとんどポテトに思えた。お味の方は、ソーセージにカレー粉とケチャップがかかった味。誰でも作れんじゃね? まあうまいっちゃうまいのだが、芋で腹が満たされてくるとケチャップやマヨネーズがしつこくて全部食べきれなかった。値段は確か数ユーロ。まさにジャンクフードである。
この後はちょうど近くにチェックポイント・チャーリーがあった。これは元・壁越えの検問所で、今は何だかよく分からない感じで、とりあえずアメリカに支配されていた。
[LINK] Wikipedia チェックポイント・チャーリー
次はUバーンで戻りつつちょい東のジャンダルメン広場へ向かう。ここは広場正面にコンツェルトハウス、右手にフランス大聖堂、左手にドイツ大聖堂がある開けた場所で、ベルリンで一番美しい広場らしい。確かにそう言うだけの美しさと開放感があった。
ここでもそれほど長居せず、次はまたUバーンで街の中心地の一つ、アレクサンダープラッツへ。ここも広場なのだが名前はよく分からない。ここにもいろいろ目立つモノがあって、一つは聖マリア教会。赤煉瓦造りで一見教会っぽくなく、しかもやたらでかい。中は普通だった。
もう一つは赤の市庁舎。堂々としていてかなり目立つ。時間はもう6時半で、夕日に照らされて一層赤かった。
そして最後の一つは一番目立つベルリンテレビ塔だ。368メートルあるから東京タワーよりも高く、ベルリンのどこからでも見える。高いところ好きとしては登りたかったのだが、登るには順番制の時間制のチケットというめんどくさい仕組みで待たなければならず、断念した。
[LINK] Wikipedia ベルリンテレビ塔
ベルリンテレビ塔(東ベルリン)
なお妹が19時から用事があるというので切符を1枚もらってここで解散。ここからホテルまではUバーンのU2路線で帰れる。ということでアレクサンダープラッツ駅からZoo駅まで一人で電車に乗り込んだ。
しばらく乗ってから、あと何駅でZoo駅か見た後ぼーっとしていたのだが、その数駅を越えてもZoo駅は現れなかった。不審に思って着いた駅名を見たらU3路線の駅だった! 地図を見るとZoo駅手前のヴィッテンベルクプラッツ駅でU2とU3が枝分かれしている。どういう訳かU2の電車がU3の方に行ってるので、この駅で降りて乗り直し、ヴィッテンベルクプラッツ駅に戻った。せっかく乗り換えたのだからとここからは志向を変えて、U1路線でよりホテルに近いクアフュアステンダム駅へ。さらにここから最も近い観光スポットである半壊の教会の夜景を見に行った。
カイザー・ヴィルヘルム記念教会。先の戦争で破壊され、残った時計塔の部分をそのまま保存している。夜だけにかなり異様な雰囲気で、しかも前後に近代建築の新教会が立っているのが異様さに拍車を掛けている。近くで見るとこれもまた結構でかい。
[LINK] Wikipedia カイザー・ヴィルヘルム記念教会
今日はベルリンでは結構歩いたのでヴェネツィアよりも疲れた。ホテルに戻ったのは9時前で、ちょうど帰るオーナーとすれ違った。部屋に常設してはいなかったドライヤーを借りたかったのだが。それより午前3時に起床しているのでそれなりに眠くもあり、明日に備えてもう眠るしかなかった。
つづく―――