日独伊編 6th day ”ベルリン”

◆ベルリン(ドイツ)
6:30、起床。昨日改めて干した洗濯物は取り敢えず乾いた模様。
今日は一日中ベルリン観光だ。と言っても案内はコーディネーター(以下、妹)に任せる。私は基本的に朝一で動くので、他よりも早く8時から入れる議会議事堂に8時に行くプランを考えていたのだが、(私よりは)夜が遅い妹が起きられないというので9時にZoo駅集合となっていた。



ホテルの建物(中庭)


観光の準備をした後、7時半に朝食を頂きに食堂へ。時間は7〜9時と昨日言われていたのだが食堂には人の気配がない。するとキッチンと思しきところから女性が出てきたので挨拶をした。おそらく彼女はオーナーの奥さんだろう。で、今日は日曜日だから朝食は8〜10時だとか。しかし「お腹が空いているなら好きな席に座って5分待って」と言われたような雰囲気を感じ取って(汗)、座って待っていると朝食を出してくれた。朝食は普通に欧米スタイルのパン・ハムやチーズ・エッグというもの。ゆで卵にはスプーンが付いていて、初めてほじくって食べた。しばらくすると奥さん(?)がフルーツが入ったヨーグルトを持ってきて、「手作りだけど良かったら食べて」みたいなことを言ったと肌で解釈したので頂いた。ああ、ちなみに全部英語であってドイツ語ではない。何せドイツ語はイタリア語以上に知らないから。



ドイツの朝食


朝食後奥さんにドライヤー貸してもらえませんかと聞いたところ、出してくれた。ペンションだとドライヤーがないところもあるので一安心。ちなみにシャンプーはなかったので、イタリアで買ったヤツが活躍した。




8:30、ホテル出発。
駅に行く前にカイザー・ヴィルヘルム記念教会に入ろうと思って行ってみた。あそこなら徒歩圏内で一人で行けるもん、と。ところが入れるのは9時から。教会なら6時に開けや!と思ったが、中に入るのは帰りにして取り敢えずは人通りの少ない朝の景観を写真に収めることにした。昨晩と違ってくっきり。戦争の悲惨さが見て取れる。



カイザー・ヴィルヘルム記念教会(西ベルリン)




そして9時にZoo駅へ。晴れているとは言え、ベルリンはヴェネツィアよりは涼しい。しかしドイツの駅は開放的であるなぁ。
[LINK] Wikipedia ツォーロギッシャーガルテン駅



ツォーロギッシャーガルテン駅(西ベルリン)


ここから東のベルリン中央駅へ。ここは2006年に開業した新しい駅で、西側の中心・Zoo駅と東側の中心・Ost駅の間にあるまさに中央駅である。ここからUバーンで一駅南下したところにドイツの政治の中心はある。
[LINK] Wikipedia ベルリン中央駅



ベルリン中央駅




ドイツ連邦議会議事堂到着。ここはつまり国会議事堂なのだが、屋上に上ることができ眺めもいい。しかしあくまで議事堂なので、空港並みのセキュリティチェックが待っていた。
[LINK] Wikipedia ドイツ連邦議会議事堂



ドイツ連邦議会議事堂(西ベルリン)



ドイツ連邦議会議事堂(西ベルリン)


並んで待つこと40分、やっと屋上へ。これでも短い方だとか。屋上はそれほど高いわけでもないが、障害物の少ない場所なので周りがよく見えた。西にはジーゲスゾイレやカイザー・ヴィルヘルム記念教会が、南にはブランデンブルク門ポツダム広場が。ソニーセンターの富士山もよく見えた。また東にはベルリン大聖堂やテレビ塔、北にはベルリン中央駅。政治の中心はベルリンの中心でもあるのだろうか。



ソニー富士(西ベルリン)


ここに観光客が来る理由は単に見晴らしがよいからだけではない。屋上に近代的なドームがあるからだ。何と説明していいのか難しいが、ガラス張りのドームの内周を螺旋階段的に上ることができる。取り敢えずすごい。



議会議事堂のドーム



議会議事堂のドーム




待ち時間も含めると議事堂で1時間以上費やしてしまった。次はすぐ南側にあるブランデンブルク門。何の門か知らなかったが、かつての城門らしい。観光地としてはトップレベルの集客力だ。門の前の広場にはたくさんの人がいて、軍服を着た人と一緒に写真を撮れる街頭パフォーマンス?もあった。これはチェックポイント・チャーリーにもあり。
[LINK] Wikipedia ブランデンブルク門



ブランデンブルク門(西ベルリン)




ここからは徒歩で東のベルリン大聖堂方面へ。道すがらいくつか土産物屋があるので、ちらほら買い物をした。途中フリードリヒシュトラーセ駅により、昼食のバゲットサンドを購入(妹任せ)。そしてやっと世界遺産博物館島へ上陸。島と行っても川の中洲だが、様々な博物館があるためそう呼ばれる。この島の中央にベルリン大聖堂がある。目の前の開放的な庭と荘厳な大聖堂がマッチしていた。大聖堂は中も外観の通り巨大で、祭壇もパイプオルガンも立派だった。妹も中には入ったことがなかったそうで、来られて良かっただろう(拝観料は私が払った)。
[LINK] Wikipedia ベルリン大聖堂(東ベルリン)



ベルリン大聖堂(東ベルリン)



ベルリン大聖堂・祭壇



ベルリン大聖堂・パイプオルガン


また建物内の階段をひたすら上っていったところ、「もうこれ屋根の上に出んじゃね?」というほど上ったところで本当に屋根の上に出た。円形のドームの外周に沿った通路は360°の大パノラマ。ここからの眺めも素晴らしく、東側のテレビ塔や赤の市庁舎が非常によく見えた。また眼下に流れるシュプレー川の遊覧船のよく見え、大盛況のようだった。



テレビ塔周辺(ベルリン大聖堂より)



シュプレー川の遊覧船


大パノラマを楽しんだ後、大聖堂の前の庭のベンチで昼食のバゲットサンドを頂いた。これを食べてるときに2回も物乞い(金乞い?)が来た。ベルリンの観光地には良くいるらしく、一人目は妹が小銭を渡してやり過ごした。二人目は私が日本語のみをまくし立てて追い払った。金が欲しいなら働けよ!(そうは言わなかったが)




この後はテレビ塔のお膝元、アレクサンダープラッツ駅へ。ここからZoo駅よりも西のシャルロッテンブルク宮殿へ行った。ここは、シャルロッテさんの宮殿らしい。建物が横に非常に長くどこが入口か分からなかったが、右端から200メートルくらい行ったところに正面っぽいところがあった。



シャルロッテンブルク宮殿(西ベルリン)


中は貴族の家って感じでやたらたくさんの部屋に装飾家具や置物、そしてやたらと肖像画が掲げられていたが、取り立てて強い興味を惹くものではなかった。強いて言えばヴェネツィアの絵があったことくらいか。
建物を出ると、左端まで行って北側に回り込んでさらに中央まで戻って庭園へ。建物の中を突っ切ることができれば一瞬で着くのに、わざわざ外周を回らなくてはならず、痛い足には苦行でしかなかった。しかし庭園は立派。開放的な空間に色とりどりの花々が咲いていた。好天も相まって非常に心地よい空間だ。ここも妹も来たことがなかったようなので良かったであろう。
[LINK] Wikipedia シャルロッテンブルク宮殿



シャルロッテンブルク宮殿の庭



シャルロッテンブルク宮殿と庭




時間は4時半。次はまた東、アレクサンダープラッツより東のイーストサイド・ギャラリーに行くのだが、その途中で朝入れなかったカイザー・ヴィルヘルム記念教会に行くことに。半壊の時計塔の前に作られた礼拝堂は全面ステンドグラスという目を惹く作り。中心に浮いている金の像はイエス? ともかく見なきゃ損だ。



カイザー・ヴィルヘルム記念教会の礼拝堂




そしてUバーンSバーン(近距離列車)を乗り継いで、旧東ベルリンの中心地・オストバーンホフ駅へ。この近くにあるイーストサイド・ギャラリーに着いたのは6時半ごろ。ここはベルリンの壁が川沿いに残されていて、壁に描かれた絵が見られるスポット。昔はこの壁を越えたら射殺されていたのだ。この壁の向こう側が旧西ベルリンである。絵はおそらく100種類以上あり、昔から描かれていたものなのだが、落書きが酷いので今年さらに上から同じ絵を描いているのだとか。ちなみに有名な絵はその柄の土産物が売っていたりする。
[LINK] Wikipedia ベルリンの壁



ベルリンの壁(東ベルリン)



ベルリンの壁(絵無し)



ベルリンの壁(人の顔)



ベルリンの壁(すごい細かさ)


この絵、ブレジネフ元ソ連共産党書記長とホーネッカー元東独国家評議会議長がキスをしている壁画は最も有名らしい。



ベルリンの壁(独裁者のキス)




壁を見終えた頃にはもう7時で、本日の観光は終了。ここからUバーンU2路線を東の端から西の端まで行ってホテル界隈へと戻った。今日の仕上げはドイツ料理だ。ソーセージは昨日食べたので、今日は肉料理をば。二人だとレストランのような店にも難なく入れる(精神的に)。
まずはドイツ名産のビール。残念ながらビールの味の違いを識別できないので、普通のビールだった。



ベルリンのビール


料理は妹のガイドブックに載っていた豚肉と、サラダ。肉は写真のレモンと比較して分かるように、手のひら2枚分くらいある。これで10ユーロだから非常にリーズナブルだ。味付けは濃くなく薄くなくおいしかった。量的にはちょっと多いがたまにはいいだろう。



ベルリンの肉




食後はこれで解散。明日の朝ベルリンを発つので、妹に見送りに来てもらうことに。しかし今日は尋常じゃなく歩いた気がする。ヴェネツィアでは割とゆったり見て回ったが、ベルリンでは弾丸トラベラー状態だ。
ホテルに帰り、フライト用の荷造りをした。ベルリンでもビールグラスを買ったのでスーツケースの中はガラスだらけ。衣類や緩衝材で守ってはいるが果たして無事に日本へ着くだろうか。


つづく―――