日独伊編 8th day ”成田→実家”

◆ロシア上空
暗い空を飛び続ける飛行機の中で、目を閉じてぼーっとし続ける。
何を考えていたかは覚えていない。
ただ時間だけが過ぎていったように思う。
そんなときに客室乗務員が配り始めたのは、日清チキンラーメン(ミニ)だった。


行きのスイス航空でのコンビニおにぎりを越えるめんどくさい食品である。ふたを開けて待っているとオーストリア人の乗務員がお湯を入れにやってくる。シュールな光景だ。しかし温かいという点だけは評価できよう。


その後、日本時間で午前6時をまわった頃に朝食となった。出てきたのはすっかりお馴染みのハム&チーズ。カップラーメンを出せる飛行機なら、納豆御飯を出していただいても一向に構わなかったのだが。



ハム&チーズによる朝食




◆成田(日本)
食後の飛行機は覚醒モード。窓の日除けも開けられ、体内時計では考えられないほど早く夜が明けていた。そして8時の予定だが7時半に成田国際空港に着陸した。



オーストリア航空 OS51 ボーイング777-200?


体内時計時間、午前1時。眠い。
飛行機を降りると乾季から雨季並みの湿度の変化があった。むわっとする。外は雨が上がった直後のようだった。
少しでも早く帰るため、さくさくっと進行。まずは入国審査だが、例によって無言通過である。その後スーツケースを回収。傷は増えているが破損している感じはない。
そしてすぐに税関へ。機内で携帯品・別送品申告書を渡されたので書いておいたのだが、別送品がある場合は同じモノを2枚書いて出すようにと書かれていたので、スーツケースが出てくるまでの間にもう1枚書いておいた。その後税関を通過。海外の空港ではこんな所通らなかったのだが、日本は厳しいのだろうか?




この後ソッコーで京成モーニングライナーに乗車。予定では9:23のスカイライナーを想定していたが、1時間近く短縮できた。従って上野から乗る新幹線も予定より前倒しとなる。その列車をモーニングライナー乗車中に携帯で検索。10:14のMAXやまびこ・つばさがよさげ。早速予約しようとえきねっとにアクセスすると、やまびこの2階席窓側は空きがなかった。かといって1階席窓側は視界が悪いので、ここは敢えてつばさを選択。上野駅で乗り込んだつばさは飛行機よりはるかに広々としていて、座席脇にコンセントまである。トイレも車椅子対応で自動ドアだし、サービスがすごかった。




そんなこんなでお昼過ぎ、体内時計では午前5時過ぎに前線基地(実家)に帰着した。今日はこれから車を運転しなければならないのだが、今の徹夜明け状態はあまりに危険。運転しないにしてもヘロヘロなので、夕方まで眠ることにした。なお実家で出迎えてくれたのは犬たちであった。



輸入品の数々




◆総括
今回は元々行きたかったヴェネツィアにベルリンをくっつけて6泊8日の周遊型の旅となった。しかも事前に実家や成田に前泊しているので、都合8泊10日という過去最大の旅行となった。
ヴェネツィアでは徒歩と船が主要な移動手段という海と街全体が世界遺産の島で、日本の世俗的な日常からかけ離れるも不思議と居心地の良い世界を満喫することができた。イタリア語が堪能であればヴェネツィアにもっと溶け込むことができただろう。
またベルリンは日本の都会と同じような活気を見せつつも、20年前まで激動の歴史に翻弄されてきた姿を随所で垣間見ることができ、東西ベルリン、新旧ベルリン、といういろいろな顔が見られる魅惑的な都市だった。
言葉と食事の問題はついて回ったが、それが旅行を嫌忌する理由には到底なり得ない。虎穴に入らずんば虎児を得ずという言葉の通り、多少のリスクを冒してでも飛び込んでいった方が得られるモノは大きいだろう。運良く今回は実害のあるトラブルには巻き込まれなかったし、治安の悪いとされるイタリアもヴェネツィアに関して言えば日本以上に平和を感じた。
何にせよ、過去最大の旅行が自分の満足がいくものであったことを嬉しく思う。


おわり